2011年10月19日水曜日

浴衣


浴衣の語源は湯帷子(ゆかたびら)です。
湯帷子が転訛して浴衣になりました。
帷子というのは単仕立てのきものという意味です。
木綿が一般の人たちに普及するのは江戸時代の中期以降です。
それまでの衣料の材質は藤、楮等の樹木の繊維もありましたが、麻と絹が主です。
例えば上級者が着用する直垂(したたれ)と下級者が着る素襖(すおう)は形の上では同じですが、材質は直垂は絹で、素襖は麻というように上下付けがなされて、麻は下級者や上級者の普段着用として用いられていました。
布というのは麻や後の木綿のことを言い、絹は裂地と言われていました。
昔の風呂は蒸し風呂です。密閉した部屋に下から釜を焚いて蒸気を導いて部屋を温めて汗をかき、垢が浮き上がったところでこすり落として、かけ湯をして上がるという入浴方法です。
入浴するときは汗がよく出るように麻の湯帷子という着物を着て入浴しました。
その湯帷子が浴衣のルーツです。
浴衣は本来は入浴するときに着用していたのですが、江戸時代になりますと五右衛門風呂や鉄砲風呂という風呂が普及し、浴衣は入浴後の涼をとるための部屋着として着用されるというように、使用範囲が拡大していきます。
そして木綿が普及してからは、木綿の方が安価で肌触りもよいので、浴衣は麻から木綿にと移行していきます。そしてそれまでに使用されていた麻は上布や帷子と呼ばれて、夏のチョイチョイ着や外出義として用いられ、木綿よりも高級な衣料として残っていきます。

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