2011年11月2日水曜日

下着重ね

現在でも礼装時には男女共に下着を重ねて着装します。
重ね着のルーツは十二単に起因します。小袖が衣服の中心になるのは安土桃山時代です。
当時の正式な着装は十二単の着装に倣って、一番下には肌着用の白の小袖を着て、中には十二単の五衣に倣って色物の小袖を着て、一番上には十二単の表着(うわぎ)のように柄物の小袖を着装しました。
写真は打掛を着装しています。打掛は武家の女子礼装ですから小袖も正式に白、色、柄物と三枚重ねて着ているのが分かると思います。
 当時はまだ襦袢がありませんので白の小袖を肌着として着装していたのです。
 襦袢が用いられるようになったのは元禄期頃からで、襦袢が着用されるようになってからも、肌着として用いてきた白小袖は省かれることなく、その白の小袖の下に襦袢を着用するようになりました。したがって江戸時代には高貴な人は下着を二領三領(りょう)重ねて着ていました。
それが時代の推移と共に簡略化が進み、昔は普段着でも富裕な人は重ね着をしていたのですが、現在は留袖の礼装時だけ下着を重ねて着るようになりました。

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