2011年11月23日水曜日

小紋

小紋は細かい柄のきものと思っておられる方がいらっしゃいますが、上図の着尺は全て小紋です。
細かく柄が込み入っているものも、下図左の大きく飛んでいる柄も全て小紋です。
小紋とは小紋型という型紙で染めたきものという意味です。
型紙には大紋、中型、小紋型という種類があります。
 旗や布団のように大きな模様を染める時は大紋型を使用します。浴衣や手拭などを染める時は中型を使用します。ちなみに浴衣は専ら中型で染めますので浴衣のことを別名中形とも言います。
 着尺や羽尺を染める時は小紋型を使用しますので、柄の大きさに関係なく型染めの着物は全て小紋と言います。
小紋を染める時は柄色一色につき一枚の型紙を使います。柄がずれないように錐で空けたような細かい穴をあけて置いて、その穴に各型紙を合わせて型置きをして、柄色一色づつ染めていきます。全体で五色の柄色があれば5枚の型紙で一つの柄色を染めます。従って色数が多いほど型紙の枚数が増え、手間も掛かりますので値段が高くなります。
普通は品は型紙を使って色糊で染めますが、高級品は型紙の上から刷毛で色を差す手差し小紋というのがあります。
手差し小紋は大変な手間と技術が必要ですから値段も高くなります。
きものの値段は生地代よりも如何に手間が掛かった染であるか否かで決まります。
100%型染かそれとも手差しが加えられているか、全くの手差しかで値段は決まりますが、素人の人は色や柄の好みで選択するだけで、染の良し悪しまでは判別は難しいだろうと思います。

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