2011年12月6日火曜日

重ね色目

平安時代の礼装である十二単は白の小袖の上に袴をつけます
その上に単衣、五ツ衣、打衣、表着、唐衣、裳 を着用します。
一番下に着用する単衣は一番大きく仕立てられています。
そして五つ衣、打衣、表着と上に着用する衣ほど裄と身丈が次第に短くなるように仕立てられています。
裏は襟、襟先、立褄、裾、袖口に1cmほどふき出しに仕立てられていますので、着装した時はその部分の色の重なりが見えるように出来ています。
着装した時は色の重なりが華やかに艶やかに目に映るようにして、色の重なりを楽しんだわけです。
それを重ね色目といいます。
 松重、梅重、藤重というように季節に合わせて様々な重ね色目を楽しみました。
この素晴らしい重ね色目の感覚は、現在でも着物を染める時に地色に対して柄色を何色にするかという時に参考にされています。
 季節に応じて様々な重ね色目を楽しんだのですが、重ね方の一つに「薄洋」「匂い」というのがあります。薄様(うすよう)はさいごを白色に重ねるもので「匂い」は上から順に薄く重ねる色重ねを言います。
 そんなところから匂いは色の重なりを示す言葉として使用されています。
 

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