2011年12月8日木曜日

きものと帯びの調和・材質の統一

絹地の物には生糸と使用したものと副蚕糸を使用したものがあります。
絹は繭球から糸を繰り出して生糸にします。
繭球には蛹(さなぎ)が2-3匹入っている繭もあります。そういう繭から取れる糸を玉糸といいます。
繭は途中で糸がもつれて繰り出せないものや、最後まで糸を繰り出せない物があります。そういうのを加工して綿状にしたものが真綿です。その真綿から糸を繰り出した物が本真綿紬糸です。
加工をしている間にどうしても屑繭が何&か出来ます。それを木綿のように紡績加工して糸にしたのが絹紡糸です。絹100%と表示をしてありましても絹紡糸(けんぼうし)が使用されているものは直ぐに腰が無くなりますので要注意です。
玉糸、真綿糸。絹紡糸を総称して副蚕糸と言います。
因みに麻のように茎から糸を作ることを績む(うむ)と言い、木綿のように綿状のものを糸にするのを紡績といい、絹は製糸と言います。

昔は礼服・礼装・晴れ着・よそ行き着は羽二重・綸子・縮緬地を使用し染めや繍(ぬい)が施されていました。それらの織物は全て生糸を使用して織られていますので、生糸を使用して制作された後染物の着物が格式は上とされています。儀礼の意味を込めて着用する着物は後染めの着物と言う約束事になっています。但し、先染めの着物でお召しというきものがあります。この着物は先染め物ですが経・緯共に生糸を使用していますので儀礼用として着用出来ます。

着物と帯には生糸を使用してつくられたものと、副蚕糸を使用して作られたものがありますので、生糸を使用してある染の着物には生糸を使用して織った帯を合わせる。
紬の着物は副蚕糸を使用していますので、帯も副蚕糸を使用して織った帯を合わせるというのが材質の統一です。
但し例外が一つあります。生糸を使用して作られた染物の帯は染のきもの、先染めの着物の両方に使えます。これは昔に礼盛装普段着を問わず腹合わせ帯を使用したことにより由来します。

小紋や紬のきものをお召しになる時は、色の調和や柄の調和だけの好みで組み合わせては行けないという事です。

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