2012年2月5日日曜日

三丁目の夕日

三丁目の夕日の第三部を見てきました。
一部は東京タワーの建築が始まったとき。
二部は東京タワーが出来上がったとき。
そして三部は東京オリンピックの年を時代背景に、下町の人情が描かれています。

子供の頃を思い出します。テレビが各家庭にまだ普及していないので、近くの電気屋さんに床が抜けるのではないかと思われるくらいにギッシリに人が集まり、力道山のレスリングを皆で熱狂して見たものです。
自動車もミゼットの三輪車です。道路にはチンチン電車が走っています。
そんな時代背景のなかでまだ貧しかった日本の下町の風景があり、そこに住む人達の人情が描かれています。
貧しいけど皆んな前向きで頑張っていた時代です。そして少し厄介だけど人の家の出来事までにも口を挟んでくる近隣の人達、だけど困ったときは皆で皆で助け合う。そういう人間関係の温かさが描かれています。
お金お金と豊かになればなるほど人はお金に執着するけれど、経済が何時までも発展を遂げることはないことは歴史が証明しています。

そしてお金は楽しみを買うための手段に用いられるもので、一番大切なのは心の豊かさです。
食べて行くに困らないだけのお金があれば、お金以上に大切なのはお互いを思いやる心、即ち大きな愛です。それが真理ですからあの世界の黒沢と言われて監督もヒューマニズムな映画を撮り続けていました。この映画も単純に分かりやすくそのヒューマニズムを描いています。
平安時代に末法思想ということがいわれました。時代が進めば進むほど神仏の教えが後退をしていって自我が強くなり、人を思いやる心も薄れてきます。
そういう心の大切さが忘れられようとしている現在に、一石を投じている心温まる映画です。
映画館には時代背景が懐かしいので年配の人が多いのですが、ああいう心温まる映画は若者たちに見ていただきたいですね

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