2012年7月3日火曜日

ドラマを見て

7月1日の日曜日の夜9時から、中井貴一主演の「二十年後の君に」というドラマが放映されました。多くのメッセージが含有されている素晴らしいドラマでした。
その一つが親父が思い描く妻や子供たちの幸せというものは、当人たちとは全く異なっているという点です。
親父は自分が仕事で頑張って地位や収入を上げることが、妻や子供たちにとって最も思い遣っていることだと思って家庭を顧みらず仕事オンリーで頑張ります。
妻は子供が自立できる年頃までは、夫のそういう思いを理解して家庭を守り子供を立派に育てます。
子供は大きくなると親よりも、自分の人生と夢の実現が優先で、親離れをしていきます。
妻は家庭で一人取り残されます。
人は他者のために生きているのではありません。自分の人生を充実したものにさせたい。誰もがそのことを最大のテーマとして生きています。
自己の充実のためには、存在を誇示し存在価値を承認されなければ、大きな充実感は得られません。
人は自分の存在を誇示し承認されることが最も充実感を覚えるのです。
妻は主婦業で自分の存在を承認されていないことを思い知らされますと、欧米では即離婚ということが多いのですが、そこまでに至らなくても、それを自覚した瞬間から自分を誇示し承認される別の何かを模索し始めます。
中には旦那が甲斐性があって生活が安定していれば、女性は知り合いを作るのは上手ですから、
友達と小旅行したり観劇や食べ歩きをしたりして、癒しばかりに走る女性も沢山します。そういう女性の方が多いでしょう。ですが中には自己実現を目指す前向きな生き方を希望する女性も、数は少ないですがいます。
ドラマの妻はそういう夢を描いて自己実現を目指すタイプですから、そのために離婚をしたいと夫に告げます。
男は自分は家族のことを思って頑張っているのですからびっくりします。
そういう男性は、人は自分のために生きている。生きる目的は自己の人生の充実である。
その充実とって大きな要素となるものは自己の存在価値の承認であるということが理解できていないのです。妻も自分と同じ人格を有している人間であることを忘れてしまっているのです。
男は金を稼いでくる。そのことは大切ですが幸せや充実はお金では決まらないということです。
バングラデッシュで貧しい孤児たちのために献身的に働いている青年を描いていましたが、その青年は全くお金というものに縁が遠い人ですが、最高に充実した生活をしています。

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