2012年10月20日土曜日

エッセイ「人生探訪」楽しみに付いて・その三

 人生は自分のためのものである。そんなことは「当たり前だ」と理解されている人と、それが理解できていない人も少なくありません。
 子供が幼くて、親である自分の存在が子供にとっては絶対である。そう感じている子育て最中の親の中には、責任感から自分は子供の為に生きていると自負しきっている方がいます。
 また恋愛中で熱く燃えている人の中には、「私はあなたのためなら死んでもよい」と思っている人がいます。
 相手に対する愛情が強くて、自分はその人のためなら命も惜しくないと思っている人達に、「人は自分のために生きているのですよ」と言っても「それはちがう」と言われてしまいす。
 愛情の強い人は、自分のことよりも相手の幸せを優先に考えます。
その思いは貴重で大切にしなければいけませんが、それは道理ではないのです。
 いたずらに「私はあなたのために」「お前たちのために」と思って真理を見間違っている人は、状態が悪化した時は、逆に相手に対する恨みも増幅させ、事態をより悪化させることになり、そのことによって自身の嘆き苦しみも増幅させる結果になります。感情に流されて道理を見間違えないようにすることが肝要です。

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