2012年10月23日火曜日

エッセイ「人生探訪」楽しみに付いて・その六

若い人に男女愛は必ずそのうちに冷めてしまうものですと言っても、「そんなの信じられない」「私はそんな風にはならない」と一様に言います。若いことは素晴らしいです。そう信じて真剣に人を愛して恋愛に命をかければいいと思います。そういう熱いものを持っていることが若さですから、大いに恋愛して楽しんでください。そして恋愛に失敗しても少しの間だけ耐えていれば必ず忘れますから、間違ってもそんなことで自暴自棄にならないようにして欲しいと思います。
 若い人達が信じているように、男女愛は何時までも冷めずに熱いままで生きていければ、そんなに素晴らしい人生はないのですが、残念ながらそういうわけにはいきません。
 人間というものは誰もが自己顕示欲が強いのです。恋愛中はお互いに自己主張を控えていますが、結婚をするとその控えなければいけないという気持ちが薄れてしまって、自己主張合戦が始まります。
そして見えなかった中身も次第に丸見えになってきます。見えてくるものが納得が行き、尊敬に値するものであればそうでもないのですが、人は自分の考えが一番とおもっていますので、それを否定されることの応酬が続くと、慣れて、飽きてくる本能が速まり必然的に熱が冷めて行きます。
 結婚をするまで長年に渡って異なる環境で育ってきていますので、そうなることは必然なのです。若い時はそこまで考えが及ばなかったのです。
夫婦の間は風呂の湯と同じで、放置しておけが次第に冷めていきます。さめれば思い遣り、感謝するきもち、労わる気持ちで追い焚きをすればまた快適に人生は送れるのですが、冷めきってしまうと追い焚きをすることに心が及ばなくなり、妥協と惰性の生活に陥っていきます。

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