2012年10月25日木曜日

エッセイ「人生探訪」楽しみに付いて・その八

                                      砥峰高原にて2012/10/24

こんな話があります。離婚して懸命に働いて母親独りで子供を育てました。
子供は東京の大学に行きたいというので、経済的には苦しかったけど頑張って大学に行かせました。
そして無事卒業をして東京で就職しました。これで親の責任も果たせた、これからは少し楽になる。落ち着けば子供と一緒に暮らせるかもしれないと期待をしていました。ところがトーキョーのお嬢さんと付き合うようになって結婚をして、東京で住居を構えました。「私は苦労して子供を育てたのに騙されました」という婦人がいました。
 子供に期待をして、自分を生きがいとして頑張って来た。子供が生きがいの全てであったのに、一人ぼっちになってしまった。寂しさのあまりに子供に騙されたと言った気持ちは分かりますが、子供というのはそんなものです。
そういう環境で育てられた子供は親に対してきっと恩義を感じています。力を付けた時はきっと親に孝行をしてくれると思います。思いますが、それも結婚をした相手が同じ気持ちでいてくれなければ親孝行も難しいという現実があります。そういうことも考慮して、親はこどもに見返りを求めても仕方がないのが現在なのです。
 どんな動物も親離れをして自立していきます。親は少しでも早く自立出来るように手助けをして行くのが最大の責務です。
巣立って行った子供は親に甲斐性がなければ、特に男の子は家に寄り付かないというのが現実です。様々な現実を踏まえて考えれば、子供の育成を自分の生きがいの全てにする考え方は、自己の人生の充実に支障をきたします。


0 件のコメント:

コメントを投稿