2012年10月26日金曜日

エッセイ「人生探訪」楽しみに付いて・その九

 社会というのは人の群れという意味で、人はお互いに支えあって生きています。
支えあっている人間関係において一番身近な夫婦、家族間が仲が良いのは喜楽を大きく増幅させる一因となりますが、その最も身近な人間関係すらも自我の主張バトルが行われてうまくいっていない家族が多いのも現実です。
 私は67歳で再婚をしました。自分でやっていた事業も全て後継者に譲りました。
今は細々と小遣い稼ぎで出張着付と、自宅で少人数の人を教えているだけで、第一線からは退いています。
 それでも今は妻と二人で仲良くお寺詣で、ハイキングなどに行っています。
妻が仕事をしてくれていますので、妻の負担を軽減するために食事の支度と送り迎えをしています。
仕事一途の人間が急に家に閉じこもって細々と生活を始めたわけですが、当初は目標のない生活に戸惑いました。今はこの生活の楽しさを満喫しています。
 経済的には大変不安な状態なのですが、なんとかギリギリでやっています。事業をやっているときは贅沢にあちこち食べ歩きをしました。それは今はできません。切り詰めて生活をしていかなければいけない状況ですが、以前よりも充実しています。妻のお陰です。妻が一生懸命に私のことを思いやってくれるからです。
どういう人生が一番幸せな人生か。そのことに考えを巡らせます、人は最後に妻に「ありがとう君の御陰で素敵な人生が送れました」と言って逝けることではないかと最近つくずく思います。
そういう意味では何時までも夫婦中睦まじくやっていくのが喜楽の増幅には重要なのですが、残念なことにそういう構図になっていない家庭が多いのが現実です。


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