2012年10月29日月曜日

エッセイ「人生探訪」楽しみに付いて(その12)

私は35年間きもの学院を主催してきて多くのご婦人方とお知り合いになりました。
当然話をする機会も多く観察していますと、五十路位に達しているご婦人方の中には、経済的に困らなければすぐでも別れたいと思っている人が沢山います。子供のために我慢辛抱をしなくなってもよい年齢に達していますので、夫に対する気持ちは辛辣です。
そうなる大きな原因は「俺の働きで生活できている」という男の傲慢さからきています。
 先日も夫から「甲斐性があったら俺が家で子供の面倒を見ているから、お前が働いて俺と同じだけ稼いで来い」と言われた。現実にはそれはできないので悔しく悲しかったけど、私には稼いで来る力がないので我慢をしていたということを聞きました。
 そんな男は最低だからもし今度同じことを言ったら「言い返してあげなさい」と言ってやりました。
 女性には間違っても男にはできない、子供の出産という大仕事があります。これは男の仕事以上に大変な役割です。
「甲斐性があるなら私が仕事に出ますから、貴方が子供を産んで育ててください」と言えばいいのです。
そんなことは出来る筈がありません。出来ないことを承知で相手を困らせてやり込めるという点では同じなのですから女性はそれを主張すればいいし、稼いでいないことを卑下する必要もありません。
 子供が6歳で既に親に恩を返しているといいます。自分の分身ができたことで「よしまた頑張らねば」と生きていく意欲が喚起してきて奮起することが出来るのです。自分の子供を産んでくれるという仕事は、感謝してもしきれない程に大きな仕事なのです。それが理解できずに「俺が働いているから」という男は最低です。お互いに感謝し労わりあっていけば、そこから大きな喜楽が発生することが理解できていない人は自分の首を自分で締めているのです。

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