2012年12月9日日曜日

エッセイ「人生探訪」仕事編No11

家康隊ですから時代は江戸時代です。しかし家康が生きていた時代の衣裳は安土桃山時代の小袖なのです。男女共に対丈で、帯は男性の角帯びと同じような細帯です。
それだと仕事が早くて楽に着付けができますが、私の会社は天正物の小袖の綺麗な衣裳がなかったので、江戸時代後期の裾引きでごまかしていました。因みに江戸時代の衣裳は前期は天正もの、江戸時代後期は江戸ものといいます。衣服の過渡期は前の服装と後の時代の服装は長期に渡って交錯するものですが、それだと分かりにくいので8将軍吉宗の時代を境目として区別しています。享保の後は江戸ものになり、奥御殿女房の服は裾引きになります。
家康存命の時代はまだ天正ものなのですが、わが社は江戸ものを用意していましたので着付けは大変でした。有難いことに松坂屋の女性達はよく協力をしてくれて、なんとか本番までには毎度出来上がっていました。毎度というのは五年くらい祭りに行きました。
これも時代劇を知っていたからですが、時代劇が出来たために他社の舞台にも応援にいかされました。お蔭で様々な衣裳会社の人たちとも交流ができ、仕事を教えていただきました。

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