2012年12月17日月曜日

エッセイ「人生探訪」仕事編No18

東京転勤が本格化してきました。
私は時代劇ができましたので、それまでにも東京の新宿コマなどに応援に行ったりして、東京の生活を肌で感じていました。環状線に乗りますと、乗ってる人の服装を見ますとそんなに高級な服装をしている人は少なくて質素です。私は阪急神戸線を通勤に使っていましたので、それと比較すると随分質素な服装の人が多いなぁーと感じていました。
東京はエンゲルケースが高いから、その分質素に暮らさなければ仕方がないからではないかと思っていました。
 衣裳会社の給料は安いのです。そんな給料で東京で生活をしなければいけなくなると、子供を大学に行かせてあげることができないだろう。可愛い子供と別れて単身赴任なんてもってのほかという考えでしたので、東京転勤を拒否していました。
 そんな時に教えに行っている各着物学院の先生方が、「先生学院を起こしはったらいいのに、起こせば私たちお稽古に行きますよ」と言ってくれました。
 ヘッドハンチングなんてことが世間では行われていますが、そういうのは余程優れた人たちの世界のことであって、一般的には学校から正式に入社した会社を一度辞めれば、それ以上の条件の会社に再就職出来ることは日本ではまずありません。
そういう意味では私はサラリーマンとしては失格者ですから、失敗してもこれ以上に失うものもないので、そう言って下さる人たちの言葉をありがたく受け止めて、やってみようと決断をしました。

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