2012年12月27日木曜日

エッセイ「人生探訪」仕事編No28

お稽古に来られる方は、自分できものが着れるようになりたい。そう考えて来られるのですが、「何のために着付が出来るようになりたいとのか」と問いますと、答えに詰まってしまう方がほとんどです。
 現在は洋服中心の時代で、日本女性といえども自分で着物が着れなくても恥ずかしいという時代ではありません。そんな時代ですから必要に迫られて着なければいけないのであれば、その時は着せてもらえばいいのです。その方が合理的です。
こんなに着物離れが進み、自分で着物が着れなくても日本女性として恥ずかしいという時代ではない時に、わざわざお稽古するのであれば、積極的に着物を着て、きもののお洒落をして楽しんでいただく、良い気分になっていただきたい。そのためにお稽古をしていただきたいのです。
どんなお稽古事も楽しみを増幅させるための手段の一つ一つであって、根本目的は楽しみの増幅です。
 人生の充実は、如何に永続性のある喜楽を増幅さるかで決定されますので、お稽古を通して楽しみを増幅させると共に、永続性のある楽しみを所持することの大切さをお稽古の場を通して考えて頂く、それを学院の理念の基盤としました。
 楽しみについては別の項で記していますので、読んでいただければ幸いです。

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