2012年12月30日日曜日

エッセイ「人生探訪」仕事編No31



私は芸能界で働いている時代にアルバイトでストリッパーの着付けを頼まれてしたことがあります。
着付けをしていく段階では最小限に腰紐を使うのですが、出来上がればすべて腰紐は外してしまいます。これは帯を解けば全てが解けて赤の蹴出し(裾除け)だけになって、バストが露わになるようにするためです。
帯を解くまでは音楽に合わせて普通に踊るのですが、紐がなくても少々激しく動いても着崩れません。
何を意味しているかと言いますと、技能があればそういうこともできるといことです。
腰紐のような細い紐で体を締め付ければ痛い苦しいという説明をしますが、確かに腰紐のような固い紐で強く締め付ければ痛い苦しいということになるのは当然です。それは扱い方次第なのです。腰紐は締めるという感覚でなくフイットさせるという扱いをすれば、着崩れないという役割をゴムベルトよりも果たしてくれます。
そして腰紐の方が安価で扱いやすいという利点もあります。また仕事も早くできます。
少し自慢をさせていただきますが、私は各家庭に出向いて着付けをする出張着付をもう30年以上しています。出張着付けのパイオニアであると自負しています。便利であるとご贔屓にしていただいていますが、家に出向いてくれるからというよりも、着ていて楽で着崩れないからと評価してくださっています。
あるお嬢さんは「先生の着付けに一つ欠点がある」「それは結婚式に行くと食べ過ぎてしまうことです」と有難いことを言ってくれました、最高の褒め言葉でそれを聞いて有難いと感謝しました。
結論としては技能さえあれば腰紐よりはるかに値段の高い新装小物を使わなくても、着崩れない着付けができるということです。

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