2012年12月31日月曜日

エッセイ「人生探訪」仕事編No32


 皆さんに知って頂きたいのは、ゴムベルトというのはゴムの弾力で押さえます。
ゴムを伸ばせて縮もうとする力で押さえるわけです。したがって常に縮もうとする力が体に加わっています。それだけ体に圧力がかかっているのです。
その点、腰紐は体に軽くフイットさせておけばそれ以上体を締め付ける力が働きませんのでかえって楽なのです。
 着くずれに関しては最も大切なのは裾合わせです。裾は着崩れれば、脱いで一から着なおさなければ応急で直すということはできません。
その一番大切な部分に力が加われば伸びるようなゴムベルトを使用していますと、例えば座礼の時に所作が下手で裾を踏みつけたりしますと、ゴムは簡単に伸びますので、下に引っ張られて崩れる恐れが大です。
そういうことがあるから芸能界や日舞などの世界では絶対に腰紐を使うのです。
 腰紐の場合は腰に締める場合は、ここに巻き付けておけば腰紐がそれ以上は絶対に下がらないという位置があります。その位置で体に添わせるように締めて、後はおはし折の余った分を腰紐に絡ませておきます。その上から伊達締めが来て、帯で押さえますので体が痛くなるほど」紐は締め付けなくてもゴムベルトを使用するよりも着崩れは少なくて済みます。これが正統なる理屈であって、着付けを熟知している人ならこの説には逆らえないでしょう。



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