2012年12月5日水曜日

エッセイ「人生探訪」仕事編No8


 生放送の時は忙しかったのですが終わりの時間ははっきりしていました。
ところがビデオの時代になりますと、編集が可能ですから撮影も細やかになり、それだけ時間が掛かるようになりました。そして役者がかけ持ちができますので、役者のスケジュールに合わせて徹夜の撮影が多くなりました。
いつ帰れるかも分からなくなり、付き合っていた彼女ともうまくいかなくなったりしましたが、仕事を覚えることが多いので結構頑張って仕事をしていました。
 最初は現代劇の担当をしていたのですが、会社では時代劇が出来る人が優遇されていましたので、自分も時代劇を覚えたいので、京都の撮影所に行かせて欲しいと願い出て京都でアパート生活をしました。
 時代劇の撮影は道が舗装されていない所、電柱が映らないところと場所設定に制約がありますので、どうしてもお寺や亀岡の山の中、琵琶湖の湖畔という場所が多かったのです。山の中に行きますと昼食に困ります。
食べるところがないのです。そんなに苦労してやっと時代劇が一人前にできるようになりました。
力が発揮できるようになった時分に時代劇が下火になり、映画はヤクザ路線に変わっていきました。

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