2013年1月9日水曜日

エッセイ「人生探訪」仕事編No38



初めて学院販売をしました。
少ない生徒の数ですが、皆さん来てくれて買ってくれました。
学院販売ですから勿論市価よりも安価の値段設定でしたので、安いといって皆さん協力してくれました。
 印象に残っているのは。もう35年も前に80万円の訪問着を買ってくれたことです。
当時はお抱えの仕立て屋さんがいなくて、妻に仕立をしてくれと頼みますと、そんな高級なきものを縫ったことがないのでできないと拒みました。せっかく高額なきものを買ってくれるといっているのです。それが売れれば当時のサラリーマンの一か月分の利益があがりますので、妻が嫌というのなら私が縫う以外にありませんので縫いました。
 舞台で地方巡業がありますと、時には現地で衣裳合わせをする場合があります。
台本を読んで役柄に合わせ、役者の寸法もわかっていますので、大抵の場合はこちらで用意して行った衣裳の押し付けで通るのですが、主役級はそうはいかなくて代えてくれという場合も多々あります。そういう場合は旅先ですから自分で寸法直しをしなければいけません。そういうことで、袷の着物はどういう形態になっているか、また運針もできましたので、きものの仕立てはできました。仕入れ先も知っていましたので、時々紹介をして売れた分は夜に子供を寝かせたから仕立てを自分でしていたのです。

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