2013年1月14日月曜日

エッセイ「人生探訪」仕事編No43


人様から先生と言われる職業に就いている人は、理念を持って取り組んでいかなければいけないと考えています。ですからカリキュラムにも心の育成、情操育成につながる項目を設けてやっています。また学院では専門知識に付いても講義をしなければいけません。
ところが妻はそんなことはどうでもよい。着物教室は実技だけ教えておればいいのだからという考えの人でした。「みなさんこんにちはそれでは始めます。はいお疲れ様でした」という指導法で、学院のカリキュラムや作法や知識などは蔑ろで、自分の気の向くままに指導していました。
 専業主婦であった妻を、商売を初めて経営的に困難だから引っ張り出して手伝ってもらうようになったのです。手厳しく非難んをすることは可哀想ですが、そんな悠長なことを言っているゆとりはありません。
私としてはこれが最後の砦という事業ですか。夫の苦労を一緒に背負ってくれて、共に頑張って私が学院長で妻が副学院長で、妻の方から「次はこういう方針でやりたのですが」といったようなことを積極的に提言して一緒にやってくれることを理想としていました。それは私の勝手な空想で彼女には苦痛であったのかもしれません。
元々向いていない人を無理に引きずり出して手伝ってもらっていたのが、学院が軌道に乗り出したのでそのままある部分は妻に任せていたのが私の落ち度でした。
妻にそれ以上のことを求めても無理だということがわかりましたので、その分私の意向を汲んで活躍してくれる生徒を育成するために傾注しました。

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