2013年1月31日木曜日

エッセイ「人生探訪」仕事編No60

淡路黒岩水仙郷

 教える方では私がいますと、彼女は従になってしまいますので、彼女も私が同席しないほうがよいという雰囲気でしたので、私はほとんど教える場にはいかなくなりました。
彼女と私との関係は五分五分の共同経営者ではありますが、それ以前にお稽古の世界においては私は師匠であり彼女は弟子であるわけです。
 芸能界などでは弟子がいくら売れて、師匠を凌ぐ人気があり、また稼ぎがあったとしても、弟子と師匠の間は絶対服従というのは当たり前のしきたりですが、この頃になりますと彼女も自己主張が強くなり衝突をすることも再三で、時には私に学院を出て行けと暴言をはくようになっていました。
仕事に関しては彼女は変わることなく熱心なのですが、お互いの考えにズレが生じてきていました。
 着物は斜陽でありお稽古をしたいという人も次第に少なくなってきていますので、作法や所作を取り入れて女性を美しくするための総合講座を取り入れてやっていきたいと私はおもっていました。ところが彼女は日舞など自分の趣味に時間を費やすことが多くなって私の意見に耳を傾けなくなってきていました。
それでも仕事は熱心に前向きにきちっとやっていましたので、彼女に任せていればまちがいないので、諍いがあってもどちらかというと私の方が引いていました。
 私が教室に行くことが少なくなっていましたので、その頃から一人で暇潰しによく飲みにいくようになりました。

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