2013年12月20日金曜日

風情が無くなった年末風景

私たちが子供の頃は年末になると、どの家庭でも畳を挙げて、天気干しして、床板の上に新しい新聞紙を敷いて薬を撒きました。
畳を叩いて一年間の塵、埃を取り除きました。その光景はあちらこちらでみられ竹で叩かれる畳は小気味の良い音をたてていました。
 破れた襖は枠木を外し、引手の金具も外し、上紙をはがして、新しい上紙を張り替えました。障子は洗って紙を完全にはがしました。糊はご飯を糊状になるまで炊いてそれで和紙を張りました。
 素人ですから、少し緩んだ状態になるのですが、口に水を含んで霧状にして和紙に吹き付けました。そうすると和紙は乾くと少し縮んで綺麗になりました。
 男の子ですから幼い時から手伝いをさせられて、様々なことを学びました。
何処の家でもそうして新しい年を迎える準備をしました。
そういう年中行事があるから、新しい年が来ることの実感が湧き、「よしまた頑張るぞという」善なる気持ちの湧出に結びつきます。
メリハリの少ない今日では、心の喚起につながることも少なくなりますね。
メリハリのある年中行事は「よしこれを機会にまた頑張るぞ」という心の喚起につながるのだということをご存知でない人が増えているようです。
日本の文化には様々な心の効能が潜んでいるのに、段々と面白くなくなります。

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