2014年9月1日月曜日

幸せさがし48

枚方の宿


 自分のことで恐縮ですが、私は学歴もなく蓄えもなく、ただ経験によって培った技能が少しあるというだけできもの学院という事業を始めました。そんな状態で始めた事業ですから、当初は物凄く苦労しました。
勿論、始めた事業が継続できるように、そして何とか専業で食べて行けるように、そのことで必死でした。というのは、当初は食べて行けませんので、アルバイトをして繋いでいました。
そんな状態ですから、人の為にとか、社会貢献等ということは全く考えていなくて、自分や家族の生活のことばかりを考えていました。家庭があって子供たちに食べさせなければいけない。住まいの家賃を払わなければいけない。大阪の梅田で開業しましたので家賃は高く、滞ってはいけないので、毎月それを払っていくことに汲々としていました。
銀行でお金を借りられればいいのですが、そんな実績もありません。お金を借りられるようになることは凄いことだ、早くそうなりたいと羨んでいました。
そんな日々が6~7年続きました。ある時、生徒がよく他所で着物を買って来ているのを見ていましたので、学院でも着物の展示会をするから、見に来てくれますかと聞きますと「見たい」と言ってくれました。撮影所の衣裳担当をしているときに、京都の室町に衣裳の仕入れに行っていて、卸問屋をしっていましたので、そこに相談に行きました。
高額なものですから、以前に仕入れに来ていたという程度の実績では反物は貸してくれません。
そこで手持ちのお金を全て持って行って、これを抵当に渡しておくからというと、少しですが貸してくれました。
当時きものの展示会といいますと、高級な食事やお土産付というのが一般的でしたが、そういうサービスは一切なし。その代償として、学院販売ですし、経費もかけていないので、市値よりも安い値段設定で行いました。来てくれた人は率先して買ってくれました。

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