2014年9月25日木曜日

幸せさがし-65

教室には大きな鏡を設置していましたが、お稽古をする時は、鏡は見せません。出来上がりの姿を見るためにだけ鏡は設置しています。
鏡を見ながら着ますと、どうしても考えながらの着付けになってしまいます。
考えながら着ている間は上手になりません。考えずに次の手順に進めるようにお稽古をします。
鏡を見なくても出来るようにするために、この時はこう持って、こう振り込んで、こう巻きつけて、こう押さえてと、教えるための着付けるマニュアルがあります。そのマニュアル通りにやって動けば、最初は考えながら行っていても、そのうちに自然にその通りに手足と身体が動くようになります。
最初は当然マニュアル通りに手足、身体が動きませんので出来上がりは悪いです。
余りの出来上がりの悪さに嫌気が起り鏡を見たがりますが、鏡は見せません。
ここで各自の性格と人間性が取り組みに表出してきます。
指導する方は、長い経験から得た最上の方法で纏めています。お稽古する人はそれを信じて、指導者の行う通りに物真似をすることが一番の上達の早道です。
ところが、順序だけ分れば、あとは自分の遣り易い手足、体の動かし方で自由気ままに行なう人が多いのです。当初同じライン上からスタートしても、何か月か経過しますと技量に差異が生じてきます。
後れを取った人は、「私は不器用だから、歳だから」等と自己弁護しますが、そういうことは微細な要因であって、そういうことよりも一番大切なのは情熱であり、次は素直な気持ちです。
素直でないということは、裏を返せば自我が強いということです。自我の強い人は素直に物真似が出来ないのです。素直な人は指導者の動きを注視して懸命にその通りに動きを真似します。当然上達も速くなります。
どんなものに取り組んでも一番大切なのは情熱と素直な気持ちです。情熱の持てないものに取り組んでも大きな成果が上がらないと思います。逆に、情熱があって、それが持続出来れば年齢、器用不器用に関係なく成就すると思います。

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